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ピラニア軍団

あの時歌ったものは、今も響く愁い・・・はぐれたピラニアたちの啼き声を聴け! 東映所属の俳優を中心に1975年に結成された「ピラニア軍団」。
映画・テレビドラマで斬られ役・殺られ役・悪役・敵役を演じて作品を支える、所謂「大部屋」俳優たちが自然と寄り集まった飲み会を、メンバーの志賀勝が、いつか主役を食うことを夢見て「ピラニア会」と名付け、 その後、プロデューサーの中島貞夫と渡瀬恒彦が発起人となり「東映ピラニア軍団」が結成されました。 時代はピラニア軍団に追い風を吹き送ります。
1975年10月より放送された、日本テレビ系ドラマ『前略おふくろ様』に川谷拓三・室田日出男が出演したことで徐々に他軍団メンバーも注目されるようになりました。 先述の2人に加え、小林稔侍、片桐竜次、志賀勝ら軍団の俳優が主要人物を演じた『暴走パニック 大激突』(監督:深作欣二)や『狂った野獣』(監督:中島貞夫)が1976年に封切りされると、ピラニア軍団ブームがますます盛り上がり、 77年には、軍団総出演の映画『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(監督:山下耕作)が公開されました。
ピラニアたちの啼き声、LP『ピラニア軍団』のリリース
本作は、役者としても活動をしていたフォークシンガー三上寛が、渡瀬恒彦との飲みの席で、ピラニア軍団のレコード制作のアイディアを聞き、ベルウッド・レコードで制作が実現したもので、 1977年5月21日にリリースされました。 初発売からはLPレコードでの再リリースでは全く行われておらず、今ではプレミア価格が付くほどの入手困難作品となっています。 プロデューサーには音楽を担った三上寛と映画監督の中島貞夫が連なり、応援団として渡瀬恒彦がライナーノーツを書き下ろし、女ピラニアと言われた橘麻紀が「菜の花ダモン」を歌唱しています。 「ピラニア」のように、はぐれた存在としての愁いと哀しみ、もやもやした思いの全てを、表現者として吐き出したような啼き声に、心が打たれることでしょう。