ARTIST
黒坂黒太郎とコカリナアンサンブル
Kurotarou kurosaka & Mori no kocarina ensemble
●黒坂黒太郎
1949年、長野県上田市に生まれる。大学卒業とともに作詞、作曲、フォークシンガーの道に入る。民俗学者故宮本常一氏の激励を受け、全国各地を歩き、地球環境や生活をテーマにした歌を歌い続ける。
1995年から楽器「コカリナ」の第一人者としても活躍。コカリナを日本の木工家と共に楽器として精度の高いものに完成させた。また、広島で被爆した木からコカリナを誕生させ2001年国際平和シンポジウム(広島市主催)に招待され特別演奏。
2003年コカリナのアルバム「翠嵐(すいらん)」をリリース(ベルウッドレコード)。またコカリナの話をまとめたエッセイ「コカリナ?―森の精が宿る笛―」(講談社)を出版。
2006年中越地震被災地支援活動の功績で国土交通省より表彰。
2006年、2007年北京オリンピック公式文化祭(人民大会堂など)に招待され演奏。
2008年ウィーンコンチェルトハスより招聘を受け、コンサート。日本ペンクラブ主催「災害と文化」フォーラムに出演。「被爆樹コカリナ」の演奏がサントリーホールのラジオCMに起用され2008年ACC CMフェスティバルでジャーナリスト賞を受賞。
2009年カンヌ国際広告祭に出品。全国植樹祭(福井県)にて演奏。
2010年1月ウィーン楽友協会にてコンサート。
2011年東日本大震災発生後、被災地支援活動を展開、全国120箇所で支援コンサートを行ったり、陸前高田の小学生全員約1300名に被災した松でできたコカリナをプレゼント。
2015年より旧国立競技場の伐採木をコカリナにし、東京や福島の子ども達にプレゼント。自らも演奏すると共に、子供達の合奏団を作り東京オリンピックイベントや聖火リレーセレブレーションでの演奏が予定されている。
2017年、2019年秋には、ニューヨークのカーネギーホールでコンサートを行い、スタンディングオベーションの拍手の中、大成功させている。
2020年2月、すみだトリフォニーホールで行った音楽生活45周年コンサートは大成功を収めた。
2020年の夏に開催される予定であった「国立競技場の木のコカリナコンサート」は、コロナ渦で中止をよぎなくされたが、オリンピック組織委員会が認定する数少ない共催プログラムに選ばれていた。
●コカリナアンサンブル
全国各地にコカリナ合奏団やコカリナサークルがあり盛んに演奏活動を展開している。それらのグループが一同に会するコカリナフェスティバルもコカリナが始まった長野県志賀高原や東京など各地で行われている。
コカリナ愛好家の年齢層の幅は広く、幼稚園児から80代まで様々な世代が楽しんでいる。この楽器の面白いところは、思いもかけない人が美しい音を出すことにある。全く楽器などに触れたこともなかったお年寄りが、いきなり胸に迫るロングトーンを奏でたりする。音楽的力量や器用さより、体の力みを抜いているかどうかが音に反映される。そのような意味では「禅」や「気功」の世界などとも共通しているように思える。
今回のCDの合奏には関東、長野、新潟、静岡、愛知、滋賀、そして遠くは四国徳島まで、180名もの愛好家が収録に参加してくれている。年齢も小学生からから70代まで実に幅広い。多くが2010年1月5日ウィーン楽友協会で行われた黒坂黒太郎と日本コカリナアンサンブルのコンサートにも参加している。ウィーンでは耳の肥えた聴衆から「こんな美しい音色の楽器を聴いたことがない」と高い評価を得た。今回のCDはその再現でもある。